孤独のグルメ

「孤独のグルメ」韓国全州編!

井之頭五郎、ついに韓国に来て食う。

連続して、しかも同じドラマネタ!人気のテレ東系グルメドラマ「孤独のグルメ」は韓国でも大変人気です。

そもそも日本ドラマなどを流すケーブル局でやっているだけなのだが、私の周りを見回すと、結構ファンが多い。韓国のおじさん達、「孤独のグルメ」をなんとなく見てしまうのだそうだ。(私も見ています!)

他人を気にせず一人食事をする、韓国の文化とは正反対の五郎さんのスタンスだが、社会で他人に気を使いすぎて疲れているおじさん達は、ブラウン管の前で、いやLED画面の前で、ひとときの癒しを求めているのでしょう。(今回出演した料理好きのバラード歌手・ソンシギョン氏も「孤独のグルメ」の大ファンであることを告白している)

さて、井之頭五郎さん(松重豊扮する主人公)ですが、東京にいるときにソウルの社長(ソン・シギョン)にケータイで呼び出されて、韓国出張決定。その後、ソウルの事務所を訪れ、ミーティング中にすぐさま全羅北道の全州(チョンジュ)に行って欲しいと言われる。(ハード、しかもディープ!)

最近、ディープなお客さんが多いのかどうか分かりませんが、私も五郎さん以上に普通日本のビジネスマンが行かなさそうな(と行っても会社や工場があるから行くときは行くんだけれど)地方に行くことが増えています。

五郎さんの全州出張には日本語ができる美女が帯同しますが、五郎さんはまったく気にかけません。そこんところは、グルメドラマならでは。

何かと一緒に食べるのを良しとする韓国文化もまったく無視して、美女が書類整理している間に一人で食堂に入り一人飯。食後の美女からケータイに連絡が入り、食事をしてソウルに戻ろうと言われますが、素直に悪気もなく一人で食べたことを告げ、女性への気遣いまったくなし。ありえないでしょう。(特に韓国だったら、そうです)

「食べる」「食べさせる」は、生きることの基本なので、とても重要視するのが韓国流。残業も手当が出ないところがほとんどの韓国でも、食事だけは出さなければ、流石に社員は怒ってしますそうです。そして「食べてからやりましょう」という常套句があって、残業も食べてからやったり、とにかくこの言葉の意味は、「それほど食べることは重要ですよ」というのと「あなたへの気遣いの心をちゃんと持っていますよ」ということになります。

だから五郎さんは、ちょっとアウト…

全羅北道の全州とは…

詳しいことや公式的なことは調べていただくとして、まず全羅道って全州と羅州の頭文字から取ってます。羅州は全羅南道にあります。ということは、かつて全州は全羅北道の中心だったわけですが、幸い現在でも中心にあります。(名前の由来になった街、今ではただの地方都市に転落?している場合が多いですね。慶尚道は慶州と尚州、江原道は江陵と原州、忠清道は忠州と清州…みたいにです。釜山や大邱、大田、光州、仁川って出てきませんよね)

そして両班の街であること。かつての朝鮮王朝、日本では李氏朝鮮と呼ばれますが、つまりは李さんが王様だったわけです。で、李さんってたくさんいるわけだけど、李さんの中でも全州李氏という氏族(韓国では宗族と呼ぶ)の李成桂(い・そんげ)がクーデターを起こし(軍人だったので)王位につきました。(ゆえに現在でも李成桂の王権の正統性も問題視されているし、李成桂によって王族になった全州李氏の人を今日でも特別視するというようなことは、一切ない、というかあり得ないくらいの感じです。でもそれを逆手にとって今でも王政が続いていたらという仮定で作られた漫画原作のドラマ「宮」(クン)は何故かヒット。出てくる現代の王様は当然李さんです。)

かつて王族の氏族がたくさん住んでいたこともあったのでしょう、全州はソウルから離れた地方ながらも両班(ヤンバン=朝鮮時代の支配階級の人のこと)の街として知られています。

今日、全州の観光資源として韓屋村が作られて、韓屋(=韓国の伝統式家屋)で宿泊もできるし、何故かおしゃれなカフェもできていたりで、立派な観光スポットになっています。「孤独のグルメ」でも全州韓屋村がチラッと出てきました。

次に大切なことは、食の文化です。特別な料理が発達しているという感じではないのですが、旨い、コスパがむちゃくちゃいい、というのが知られています。ソウルで流行っている食堂でも口のこえた全州では安易に店をオープンできないと聞いたことがあります。

全州、もしくは全羅道(特に全羅北道かな)の女性は、料理が上手いとも一般的に言われています。これは、おそらく本当です。

コスパの良さというのは、韓国料理は基本的にご飯と汁物、それとオカズという構成になっています。(五郎さんが入った店もそうでした)その時に出てくるオカズの品数が断然多いのが全羅道です。(北道・南道問わずですね、これはどうも)ソウルと同じ値段で比較すれば、はっきり分かります。それが今回の「孤独のグルメ」でも暗示されていました。

それで全州というば、食が有名なのですが、私がオススメしたいのはビビンバでもなくですね、実はマッコリ酒場。

旨いマッコリが呑めるというよりは、そのフォーマットに驚きます。マッコリ酒場に入り、当然マッコリを注文します。するとマッコリがヤカンに入って出てきます。ヤカンに入って出てくるのは、それでも普通のことで、マッコリを売りにしている食堂ではソウルでも2本から3本をヤカンに入れて持ってきてくれ、かつての朝鮮の酒幕を想起させてくれます。

そのマッコリと同時にアテが、オカズが、いや料理が数種類テーブルいっぱいに並べられます。ちょこちょこっと出てこない。ガーンッと出てきて、その瞬間にマッコリは主役の座を引きづり降ろされることになります。

初めて行った時にこのシステムをよく知らず、夕食を食べてから行ったので後悔した事を覚えています。

更に驚いたことは、飲み干したマッコリを新たに注文すると、新たな別の種類の料理が運ばれてきたこと。恐るべきコスパです。他のことはどうでもいい、全州ではこのお店を体験すべきです。

五郎さんが行ったお店

「孤独のグルメ」シーズン7全州編で五郎さんが入った定食屋さん、ネットではもうすでに結構情報が上がっています。同じメニューを頼んで(というかあの料理が基本だったわけだが)写真をアップしている人もいました。五郎さんが言っていたようにきっと美味しいのでしょうし、お店はドラマのおかげでますます繁盛することは間違えないでしょう。(そのくらい韓国にもファンはいるし、日本のファンや観光客が行ってみるというパターンも予想されます)

しかしです。見た感じ、普通の店なんです。美味しい店なのでしょうが、普通にどこにでもありそうなお店なんです。家庭式定食(家庭式白飯ともいう)の店、ソウルでは少なくなりましたが、やっぱり普通。(それを選んだドラマ制作陣のセンスはあると思います。故にディープさを感じました)

普通だけど、庶民的だけど、ちょっと慣れれば、美味しい店が韓国にはたくさん有ります。私も韓国に長くなり、普通すぎて家庭式定食のお店には入らなくなりました。(糖質制限している理由も大きいですが)でも、ああいうのが韓国料理の基本だなと改めて感じました。

私事ですが、妻と会い始めた頃、連れて行ってもらった食堂がソウル清涼里(チョンニャンニ)市場の商人が出前を注文する市場専用定食や。狭い食堂で(ほとんどが出前なので)数席しかなくて、メニューは定食一種類。値段が当時数百ウォン!当時のレートだとそれでも百五十円くらいになったような。普通の人は知らなかったり、知っていてもなかなか入りづらそうなお店です。当時「えらい、ディープなところに連れてくるなぁ。マニアックやなぁ」と思ったものです。

※ この動画の食堂は、ソウルの中でもハイセンスなエリアにあるので(私も行ったことありますが)、ディープさはないのですが、入りやすさんがあるので、オススメできますね。

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