通訳の事前打合せは必要なのか?

通訳前の事前打合せは必要なのか?

実際のところ、事前打合せはするのかしないのか?

長年の通訳の経験では、8割ほどのお客様が事前打合せの要請をなされませんでした。通訳をする私の側でも事前打合せをしていただかなくてはやり難いと思ったりはしません。

しかし中には、常にしっかりと事前打合せをしたいという通訳者の方もいます。

もちろん、やったことに越したことはありませんが、通訳者の拘束時間がコストですから、私の立場から一概に事前ミーティングをおすすめするというものではありません。もちろんお客様とお会いして、通訳業務が始まる前に5分ほど簡単にお話をすることは自然に行われますし、移動中に事情を伺うことはあります。

そこで今回は不要な理由と必要な場合をまとめてみようと思います。ご参考になさってください。

事前打合せが不要な理由

  • 韓国語が日本語と語順が同じなので、そのまま会話を訳しあげる通訳をしていけば、前後の事情を知らずに通訳を始めても、特に混乱することはない。
  • 韓国語で使われるビジネス上の用語が歴史的経緯により英語そのものか日本語(もしくは欧米から日本語に翻訳された漢字語)を起源にしている場合があり、英語の韓国語読みか漢字の韓国語読みで通じる場合が多い。
  • そもそも臨時で雇う通訳者を介した商談・会議においては、業界の専門用語の事前全把握は不可能なので、訳しながら通訳者が分からない言葉を拾い上げていき、その場で学習し場を踏ませ、慣れさせるしか方法がない。それゆえに事前打合せは無駄である。(という考え方もできるわけです)

事前打合せが必要な場合

  • 技術会議の場合で、それでも事前の学習のための用語集(大まかでいい)が準備できる時(この時は、資料を送っていただければOKです)
  • 商談が戦略的必要性がある場合で、充分なコミュニケーションよりもポーカーフェイスで手の内をはぐらかせたい場合など。(たまには、こういうこともありますよね)
  • 相手側の説得が必要なミーティングの場合、通訳者に仲介的役割を担わせつつ進めていきたい時。(誠実に中立的に通訳をすることで、相手側に信頼関係を構築して、上手く両者をとりもつような立場にたちます)
  • 不要な理由の裏返しですが、商談や会議の内容が過去の入り込んだ文脈の中にあり、それが専門用語を通じて表現されて話し合いが進むような場合、直訳するにしても場合によっては主語が不明だったり、会話の中で過去の文脈が把握できない時には通訳者がどうしても不安を拭えず集中できなくなるので、そのような恐れがある場合はやはり打ち合わせが必要

三番目のケースに関する補足説明になりますが、そもそも片側だけの通訳をするような場合でない、両者の話を通訳する場合は(ほとんどの業務がこうなりますが)どうしてもお客様側の立場での主張をするだけの通訳では、相手側の思惑を伝えるという役割ができなくなり、不完全になってしまうために、結局両方の立場を代弁する立場で話すことになります。相手側が怒っていれば、その感情もお伝えしなければ、コミュニケーションが欠落してしまうだけになってしまうわけですから。

打合せがあろうと、無かろうと、最終的にはお客様側の利益を代弁する側に立ちつつも、コミュニケーションの瞬間においては中立的に通訳をする形にはなることをご了承ください。

 

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