韓国のビジネスマナー雑記

韓国ビジネスを進める上で、誤解を生じさせないためにも韓国式のビジネスマナー、文化ってどうなんだろうと気になるところです。体系的ではなく、商談現場を思い浮かべながら、忘備録的にまとめてみることにします。

韓国ビジネス的ドレスコード

まずドレスコードですが、韓国はかなり緩めです。私も韓国ビジネスドレスコードの変容は、何気なしに見つめてきました。
80年代、90年代ごろまで私の記憶では、スーツに白の綿の靴下ありでした。それはドレスコードというより、黒のビジネスソックスがあまり売っていなかったような気がします。ちょっと前まではキラキラしたラメ入りのネクタイをみなさん締めていました。そんなネクタイばかり売っていたからです。
銀行に行ってもルパン三世のような色シャツ(例えば黒とか)を着ている銀行員も結構見かけたりしました。

最近は、今風のテーラーメイドのお店が増えて、日本に比べるとお得な価格で、そこそこトラディショナルなスーツを仕立ててくれます。おしゃれにスーツを着こなす若者も増えてきたように思います。韓国産の紳士靴は、日本に比べ高めで、例えばグッドイヤーウェルトのものは、私の経験では未だかつて見たことがありません。

ビジネススーツは相手への敬意を表すものですが、上記のような進化した経緯があるため、ジャケパンでも充分マナーに適っていると感じます。

また極寒の冬のコートですが、マイナス10度とかにもなるので、コートをきたまま訪問することが韓国式のマナーに反するということもありません。

手土産を渡す

日本から訪問するということもあって、手土産を持ってこられることがよくあります。いつも気になる点が二つあります。

まず、渡すタイミングですが、よく商談の最後になって渡される方が結構いらっしゃいます。先に渡してしまうことに何かいやらしさを感じてしまうからなのでしょうか?
私は、絶対先に渡すべきだと考えています。理由はいくつかありますが、韓国もやはり手土産文化は日本以上に徹底していて、ビジネスの時はいざ知らず、個人的関係においては何かしら手土産を持って訪問するのが常識です。個人の時も手土産は訪問の挨拶の時、先に渡すものです。なので手土産は絶対的に先に渡すのがいいに決まっています。
次の理由ですが、手土産は習慣のみならず、コミュニケーションの媒体の役割も果たします。お土産の説明からコミュニケーションがスムーズになるという意味です。さらに韓国の人は露骨にモノに弱いとは韓国の人の弁。何かをもらった場合とそうでない場合の態度が露骨に違うというわけです。潔癖性の日本人からすると潔くないと忌避したいことかもしれませんが、ビジネスは交渉です。僅かでも効果があるなら、手土産効果も積極的に活用するべきで、そのためには先手必勝ではありませんが、先に渡すべきです。

次に渡し方なのですが、日本の方がよく使うセリフで「みなさんで、召し上がってください」的表現、ありますよね。韓国ではちょっと疑問に感じています。結論から言うと、その場の担当者なり、一番地位の高い人に(社長が居れば社長に)直接「あなたへのお土産です」的なセリフで渡すべきではないかと思っています。決定権者、格が合うのであれば、できれば社長に対して「個人的にも関係を結びましょう」的アプローチが絶対有効な韓国ビジネスです。「ご家族の皆さんにどうぞ」くらいのセリフで個人に持ってきたと渡すやり方をしてください。その後に社員と分かち合うかどうかは、あくまでも担当者なり社長の権限・裁量なわけですから、そこには踏み込まないというのも大事なマナーだと思っています。

挨拶の仕方

挨拶は握手が一般的です。目上の方であったり敬意を表するのであれば、左手を右手の肘、もしくは肘より少し手に近い部分に添えます。ある韓国の方から伺ったのですが、これは何も目上に対するマナーではなかったとのこと。結局伝統衣装の袖を抑えるということで一種の様式美としての行為だったとのこと。その方独特の説だったかも知れませんが「なるほど」と思ったことを覚えています。

握手の前に名刺を交換したりしますが、挨拶にしろ名刺交換にしろ、ビジネスマナー講習などあまり受けたりしませんので、日本のビジネスマンからすると結構適当だと思えることも多いかと思います。

韓国人の名刺には英語名が書いてある場合があります。韓国名の英字表記ではなく、西洋社会で使いやすい「呼び名」の場合があります。自分なりの呼び名を持っている人であれば、英文メールのやり取りでもこの名前を使うでしょうし、商談時にこの名前でやり取りすることにもなるのでしょう。
これは、実は通訳者泣かせです。韓国での呼称は「姓+役職+(様に該当する韓国語の)ニム」もしくは「フルネーム+役職+ニム」です。「呼び名+役職+ニム」も「呼び名+ニム」も「呼び名」だけの呼び捨てもマナー違反かつ滑稽です。(韓国人でさえ、ビジネスの場などで役職が分からないと呼称で当惑する)
どうか正式の韓国名と役職は把握して、教えていただきたいものです。

ちなみに韓国の役職ですが、基本的に日本と類似しています。「サジャンニム!」って韓国でよく聞いたことがあるかも知れません。「サジャン」は「社長」の韓国語読みです。つまり「長」は「ジャン」と読むわけです。
「部長」は「ブジャン」、日本同様に課長、係長(最近はあまり使わず、課長代理ということで「代理」を使う)専務、常務も使います。チーム長というのも多いですね。ただ日本と違い、小さい企業では何々部の部長がいて、その下の何々課の課長という体系になっておらず、適当に部長になったり課長になるケースも少なからずあるので注意です。
さらに「社長」の代わりに最近「代表」つまり呼称として「代表(テッピョ)ニム」を使う場合がかなり増えました。ちなみに韓国では「取締役」と言わず「理事」と表現します。(法的にも)ですから「代表取締役」は「代表理事」が韓国式の表現となります。

会食

ビジネスでも客人を食事に誘う行為は韓国では一般的だったり大切なことと認識します。お昼ごろの商談や夕方の商談であれば、しかも重要な関係であれば、自然な形で食事に誘い誘われることが多いと思います。食事のフィールドって韓国の人にとっては、ビジネス的でもあり、同時に極めて人間的なフィールドが交差している空間なので(というか誰にとってもそうなんですけれど)お互いにとって重要で、また韓国のビジネスパーソンの振る舞いも見事だなとつくづく感心することが多い場です。

会食は、マナーというより先ずは人間力の勝負の場であります。韓国のできる社長さんは、接待役に徹するのをよく見かけました。韓国の会食の場では、韓国焼酎のビール割を飲むケースが多いのですが、この時もビール割を作る役割は、ホスト側の上の者だったりで、できる社長さんがいれば、エンターテイメント性を発揮してお客を喜ばせようと奉仕します。ただ、これが単なる太鼓持ち的になるのではなく、商談でクールな面を見せていた人が突如家庭的な面を見せたり、人間的な熱い想いを語ったりの社長さん劇場の序章であったりするわけです。

韓国式会食事のマナーとして基本的ないくつかをご紹介しておきます。
まず、目上の人が食べるまで先に箸をつけないこと。器を持たないこと。(そのためにスプーンがあります。ご飯もスプーンで食べるのが正式です。お箸はおかずを取るためのものです)お酒は注ぎ足ししない。お酒が残っているときに注ごうとするのは、盃を空にすることを促す行為です。その日の雰囲気やペースを見ながら、やってください。日本の人がビールなどを注ぎ足したりしたら私はすかさず「日本式です」とフォローしますし、韓国の人も日本スタイルのことは理解しています。(韓国スタイルのお酒の飲み方に対しては韓国の人も正直しんどいと思っている人も少なくないという事実!)

そして会食の締めの言葉は、ぜひシビれるセリフを準備しておいてください。

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