韓国では長らく地上波放送では全くグルメ番組というのがありませんでした。おそらく理由は社会の各層に配慮してのことだと思います。高級なフレンチを食べるみたいな番組は、まさにタブーでしたから。(相対的略奪感という言葉が韓国の言論空間ではよく使われます)
韓国グルメブーム到来
しかし経済成長もすることで社会的にグルメニーズも高まり、日本などのテレビ番組をベンチマークすることもあるでしょうし、そうした中でケーブルテレビ全盛時代となり、グルメ番組が制作されるようになりました。(私はテレビをあまり見ていませんでしたが)
しかしやはり高級レストランで高級な料理を食べるというような番組は韓国にはそぐいません。大衆的ながらも旨い店であったり、スターシェフと呼ばれるようになった話が上手い料理人がテレビに出演して、家庭料理中心に実演してみたりのグルメ番組です。
また大衆的名店を語り合いつつ紹介する番組では、紹介されたお店が繁盛し、列をなすという現象も生まれ、よく「日本人は食堂にまで並ぶのか?」などと言われましたが、今となっては言われる筋合いはないってことですね。
我がオフィス近所にも、サムギョプサルで紹介された店があります。こんな住宅街の辺鄙なところの店がどうして繁盛しているのだろう、どうして高級外車で乗り付けてきている人がいるのだろうと思ったのですが、人気番組で紹介されたたわけだったのです。
で、お味の方ですが、確かに旨い!今まで食べたサムギョプサルの中で確かに最高レベルです。
新設堂にある肉典食堂っていうところが美味しかったです!ただし一時間は並ぶ…
— tomoko アーモンドに取りつかれ中 (@zai0518kusuke) February 10, 2018
私の知人の知人が責任者と努める会社の高級イタリアンレストラン(関係がややこしいですね)のシェフもテレビで売れてスターシェフとなり、同時にお店も繁盛したようです。
多くの業態の食堂を運営する会社の社長兼料理人は、テレビで料理を実演しながらの語りが上手く、彼の温かそうな人間味も含めて見事にテレビでブレークしました。家庭で簡単にできる様々な料理を実演し、彼の写真やイラストを看板にした彼の業態やコンビニ企画ものも日夜拡大している様相です。
韓国ではこの人(ペク・ジョンウォン)の顔のシールが貼られてると物が売れるという現象が起きています。キムチから牛肉、冷蔵庫まで pic.twitter.com/xm90VwqvPx
— épuisé (@l_epuise) November 20, 2017
友達はペク・ジョンウォンの奥さんが15歳下の女優というのも気に入らないらしくプンスコしてたけど、そりゃあんだけ儲けて頭も良く(延世卒)、テレビ出演に耐えうるダンディフェイスなら若い嫁もできるやろという pic.twitter.com/KrqWyIT250
— épuisé (@l_epuise) November 21, 2017
\今週の注目番組②/#FTISLAND メンバー 出演回!
ピックアップ放送「#3大料理王 #92」
ペク・ジョンウォンがMC を務める料理バラエティ番組☆#イ・ホンギ #チェ・ジョンファン
▶11月18日(土)午前5時20分~https://t.co/cBgDUeeBlJ pic.twitter.com/UY3Qz9Ta3e— KNTV 公式アカウント (@kntv_info) November 13, 2017
ケーブルテレビでグルメ番組ではないのですが日本の「深夜食堂」が人気を博し、「孤独のグルメ」も隠れた人気番組となっています。井之頭五郎が高級店に行かないのがいいのかもしれません。最近では「ワカコ酒」や「吉田類の酒場放浪記」「MOCO’Sキッチン」もやっていたりします。
韓国のレストランの現状は?
もともと韓国では一般的な業態と並んで創作的業態がどんどん生まれています。それが流行し定番になることもあるし、流行はするが飽きられて消えていくこともあったりします。そういう意味では企業スピリッツを見るかのようです。
意外と思われる方もいるようですが日本の居酒屋も大変人気です。しかし概して日本よりは高い印象があります。大衆店というより所謂アッパー向け業態という位置付けのようです。(インド料理もそうです)
日本のラーメン屋も生まれるのですが最近「一風堂」が韓国から撤退をしてしまいました。もちろん韓国での運営会社の問題もあるのでしょうが、ただ日本と同じように持ってくるだけでは難しいようです。ローカライズの加減が求められています。そんな意味では「CoCo壱」はプチファミレス化して若いカップルで賑わう店として成功しているように見えます。
上の記事では韓国人の教育が難しいという指摘があるが、一方名古屋の居酒屋チェーン「てっぺん」の韓国店に行くと、日本式の教育で成功していることを感じたし、日本同様に「朝礼」の見学では大企業からの参加も目撃した。
先日、偶然に見かけたスペインバルの店に飛び込みました。実は日本からのスペインバルの店というのもあって、いった事はあったのですが、この店の若いオーナーはそこでの業態立ち上げ経験などもあったとのこと。日本の業態についてもよく知っていて、それでも試行錯誤でローカライズを行なっていると言っていました。タパス系の小皿料理を安い価格設定で出したところ韓国のお客さんは値段は度外視で量が少ないことを問題視したという経験もしたらしいです。
個人的に韓国で欲しい業態
ローカライズが難しい中、他のアジア国家より日本で流行ったものがまだまだ入ってきていない印象です。
立ち呑み、イタリアンビストロなんて上手にやれば流行ると思うんですけど。あと日本式のカレー屋もあるにはあるんですが、美味しくないし、頑張りが足らない感じします。これもどの層をターゲットにするかで迷いがあるように思われます。ショットバーも少ないです。お酒の流通機構の問題もあるようです。逆にスイーツは伸びてきていますね。数年前には大阪の堂島ロールもちょっとした人気でした。
逆に日本でも流行りそうな業態はいろいろ見つけられそうです。チーズダッカルビが日本で流行っているっていうのには何故か少し笑ってしまいました。とにかく食においても日韓の交流がますます盛んになって欲しいとは思っています。